
松香庵流について
松香庵流(しょうこうあんりゅう)とは
「煎茶の心は、低きに流れる水の如く、高きに去来する白雲の如く、ごく自然な姿にあると例えることができます。お点前は美味しい煎茶の淹(い)れ方を得るための手段として、清潔であること、手順は簡素であること、動作は清雅であることを旨とする」。この言葉は昭和の最後の文人、煎茶人である長谷川瀟々居先生(『煎茶志』の著者)の教えです。先生には当流の顧問として長い間ご指導頂きました。
松香庵流では、この教えを受け、温故知新の心と先人の教えを大切にし、現代に合った煎茶道を楽しんでおります。
煎茶は文人茶ともいわれ、中国から伝えられた煎茶趣味から生まれた茶道です。みずから茶席をしつらえ、親しい人と茶を喫し、なごやかにお話をしながら共に楽しみます。日本の伝統文化として唐の時代から文人が伝えてきた煎茶を礼儀、作法も併せて、次の世代に伝えられるよう心がけております。
煎茶の点前は、煎茶法,点茶法、淹茶法(玉露)があり、いずれも「清潔、手順は簡素に、動作は清雅に」を基本にしております。あなたも毎日の忙しい生活の中に煎茶の心を楽しんではいかがでしょうか。
一般社団法人 全日本煎茶道連盟 加盟団体
家元 嶋田静坡について
当流の初代家元は小西静波(明治23年~昭和55年)。加賀前田家生まれ。横浜で黄檗松香庵花月流を創流しました。二代目現家元は嶋田静坡(しまだせいは 昭和11年~)。横浜市生まれ。十年余の家元代行後、昭和50年に家元を継承し、流名を「松香庵流」に改めました。
幼少より、祖父 有馬弘太郎に文人趣味のよさを教えられる。初代小西静波に入門し煎茶道を、茶の湯は内田宗房に、さらに長谷川瀟々居先生に「真の煎茶の心構え」と煎茶花(文人花瀟々流)を学び、今に伝えております。
著書「煎茶百楽」(2015 | 里文出版)に記しました多くの中国·日本の文人の生き方に、時代を超えて心引かれております。煎茶道は、間口が広く、奥行きがありますので、個性が生かせます。多くの方が身近にお楽しみ下さることを願って、今日もお茶を美味しくいただいております。